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7月15日のまにら新聞から

無駄な制度は不要だ

[ 729字|2013.7.15|政治 (politics)|新聞論調 ]

青年評議会選挙

 予定通りにいけば、青年評議会の選挙は今年10月に行われる。これほど公金の無駄使いになる選挙はない。「青年評議会がこれまでに、何か成し遂げたことがあるか」と問うと、10人中9人が当惑した視線を返してくる。1人は、当てずっぽうの、いい加減な答えをするだろう。

 なぜならば、青年評議会にはもともと、存在意義がないからだ。1975年、独裁体制の強化を目的に、マルコス元大統領が創設した統治手段なのだ。当時は「青年バランガイ」として知られた。

  青年バランガイの事実上の支配者は、イメルダ夫人だった。そんな背景で誕生したわけだから、無用な制度にならざるを得ない。コラソン・アキノ政権の一時期を除き、青年バランガイは、青年評議会に姿を変え、生き延びてきた。かくして、貴重な公費が、政治一族の息子や娘が当選する選挙に浪費され、当選後も評議会の運営費という名目で、散財が続くのだ。

  国民のほぼ半数が「若者」である現状を考慮すれば、下院議員は若者の代表でもある。さらに言えば、青年団体は自分たちの政党をいつでも立ち上げ、政党リスト制で下院選に立候補できるのだ。せいぜい、未来を担う政治家の育成場所、と捉えることはできよう。しかし、この国の政治制度を見れば、若者が腐敗しないという保証はない。青年評議会ではなく、民間団体に参加したほうが、ましだ。

 ここで自問してみよう。「もし青年評議会が廃止されたら、何を失うのか」と。失うものは、何もない。むしろ、巨額の公費の節約になり、国にとって有益だ。評議会への浪費がなくなれば、雇用の創出につながる、もっと多くの有益な事業に予算が回せる。教育や医療など不可欠な公益事業に予算を充てることができる。(10日・タイムズ)

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