ハロハロ
今年の競馬を振り返ると、馬券の収支は昨年同様、さっぱり。レースとしては秋の天皇賞が歴史に残る名勝負だった。直近の話題は往年の人気馬、オグリキャップが十一月中旬、中央競馬会のイベントで府中に姿を見せたこと。大変な人気で、パドックには携帯カメラ片手のファンなどが押し掛けた。
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一九八〇年代後半、地方から中央に転じ、エリート馬を蹴散らして有馬記念を二度制覇した。地方上がりで人気を博したハイセイコーと似た経歴だ。豪州産馬とのジャパンカップでの死闘は今でも語り草となっている。オグリを見てから競馬ファンになったという中年層も多い。
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オグリキャップは既に二十三歳、人間でいうと七十代半ばぐらいとか。二年前に種付けは卒業、牧場で一頭、悠々の生活という。それがどうしたのかパドックで巨大なシンボルを硬直させて周回。芦毛だった馬体は真っ白。むきむきの一物は真っ黒。「元気ですねえ」とテレビの解説者。翌日のスポーツ紙によると、関係者は「久々に競馬場に来て牝馬のにおいなどで興奮したのでは?」という。おお、このパワーにあやかりたいものだ。 (紀)