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10月30日のまにら新聞から

政治家の自作自演

[ 663字|2006.10.30|社会 (society)|新聞論調 ]

有権者発議による改憲

 最高裁による有権者発議の改憲申し立て却下で疑問に残った点は、一票差で退けられた有権者発議支持派に七人もの判事がいたことだ。申し立てたシガウナンバヤン(SIGAW)などの明らかな憲法規定乱用と利己的な動機が、満場一致で葬り去られるよう願っていたのに。

 プノ判事らの七判事は「申し立てが憲法規定に沿っているかという問題について、われわれは法律に従って(署名が本物という)証拠の提示と中央選管による意見を要求する」との責任回避的姿勢をとった。一方、多数派のカルピオ判事は「申し立ては共和国法一七条第二項が示す条件を満たしていない」「規定によれば、国民が請願書を作成、署名しなければならない。代理人、代表によるものは不可。次いで、請願書に改憲の具体案を提示しなければならない」と主張、プノ判事側の意見を覆した。

 SIGAWなどは、一度も国民に改憲の具体案を示さず、集会でも議論を交わそうとしなかった。それは無理なことだった。国民が詳細を知れば、署名などするはずがなかったからだ。国民は、改憲で大統領制から議院内閣制に移行し、法案成立を遅らす国会議員を排除し、国家利益につながると信じていたのだ。

 この改憲発議は国民ではなく、アロヨ大統領やデベネシア下院議長ら政治家によるものだった。政治家たちが国民の手から有権者発議を乗っ取ったのだ。彼らは改憲案作成後、国民をだまし、内容を説明せずに署名をさせた。提出された請願書は本来なら、審議するまでもなく、直ちにゴミ箱に捨てられるべきだった。(27日・インクワイアラー、ネル・クルス氏)

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