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8月1日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 491字|2005.8.1|社会 (society)|ハロハロ ]

 マキリン山(一、一三〇メートル)のふもとに広がる丘陵地帯。そこは、タガイタイの北斜面に夕日が沈むころから一段と静けさを増す。ところが、この時季になると、「夜の黙(しじま)を破る」という表現がぴったりするほどトカゲが甲高く鳴く。「トゥコー、トゥコー」。その声に度々、目を覚まされる。

 この種のトカゲをフィリピノ語では、耳にした通りの擬声語で「トゥコー」。インドネシア語とタイ語は同じ擬声語で、「トッケー」。まだトゥコーの姿を見る機会はないが、体長は四〇センチほどらしい。以前、ラグナ州にあるゴルフ場でフェアウエーを素早く横切る大きなトカゲを見た。「ワニの子供か」と尋ねてキャディーに笑われたのを覚えている。

 マキリンは一九三二年、フィリピン初の国立公園に制定された。国立自然保護区もあり、イノシシ、シカ、猿といったほ乳類が四十四種類、鳥類は二百四十一種類が現認されているという。は虫類だけで六十九種類もいるそうだ。だが、天然記念物のフィリピンワシなどは、都市化の波で生息地を狭められる一方、密猟の脅威にさらされているという。「トゥコー」の絶える日がないことを願う。(濱)

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