ビサヤ・ミンダナオ通信
[ 319字|2005.5.9|社会 (society)|ビサヤ・ミンダナオ通信 ]
追い立て食う先住民
海浜リゾートで名高いアクラン州ボラカイ島で先住民ネグリト族が土地を追われようとしている。同島北端にアティ人と呼ばれる先住民が村落を作っていたが、ミラフローレス下院議員=同州=一族が自分の土地だと主張、管理人がコンクリートの壁と有刺鉄線で村を二分してしまった。
国家先住民委員会(NCIP)が四月末、アティ人住民の土地追い立て差し止めの仮処分を命じたが、アティ人住民には村が先祖代々の土地と証明する文書はない。専門家が十九世紀初めから存在する墓地を見つけてくれたのが頼みの綱だ。
アティ人はフィリピンに約二万人いる先住民で、ネグリト族といわれる。焼畑などで暮らしているが、開発の波がひたひたと押し寄せている。(3日・インクワイアラー)