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10月5日のまにら新聞から

「比日RAA年内に締結」 テオドロ国防相が見通し示す

[ 1108字|2023.10.5|政治 (politics) ]

比国防相「比日訪問軍地位協定の年内締結を目指している」

 テオドロ国防相は3日夜、訪問部隊の法的地位を定める「円滑化協定(RAA)」を今年中に日本と締結することを見込んでいると明らかにした。韓国の建国記念式典で記者団に語った。RAAは、比では訪問軍地位協定(VFA)と呼ばれ、締結されれば、日本にとっては豪州、英国に次ぐ3番目、比にとっても米国、豪州に次ぐ3番目の締結国となり、比日軍事関係が「準同盟」といえる関係に格上げとなる。

 同相は内容交渉の現状について「協定案の問題のほとんどは解決済みだ」と明かし、「上院もこの協定を批准する準備ができており、われわれの目標は年内だ」と明言した。日豪、日英RAAは議会の承認が必要な「条約」として締結されているが、条約批准権を有する上院のズビリ議長は今年4月に約半数の上院議員を引き連れて訪日した際、「RAA締結に向け緊急に取り組む」と宣言するなど前向きな発言を繰り返している。比憲法7条21項は条約の批准には上院の3分の2が必要と規定している。

 同相は、「現在は上院に提出する前の外務省による確認作業の最中だ」とし「外務省が明確化しておかなければならない問題があるが、すぐに解決されるだろう」と述べた。

 また、南シナ海における海軍種共同活動にも言及し、「(日本との)共同航行も望ましい。日本は計画への参加を望んでおり、可能な限り早くできるよう調整を進めている」と述べた。

 日豪、日英RAAは訪問部隊の査証や公用燃料の関税を免除するほか、武器弾薬の持ち込みを可能にし、接受国の軍と同じ条件で訪問部隊が派遣先の港湾・空港を使用できるようにする。さらに、訪問部隊が接受国側で事件・事故を起こした際などの刑事裁判権の所在や、隊員の公務中の負傷・死亡に対する請求権の放棄を明記する。

 そのため、比日RAA締結後には本格的な比日の合同軍事演習が可能になる見込みだ。また、先行する日豪・日英RAAは、部隊が相互訪問して行う活動の内容を「両国が決定する協力活動であって接受国で実施されるもの」と一般的・抽象的に規定する。その文言が踏襲されれば、自衛隊が訓練や人道支援以外の作戦行動を比国内で実施できる可能性も出てくる。

 日豪・日英RAAでは5条および8条で、接受国の承認に基づき訪問部隊は「協力活動」に必要な接受国側の「施設、区域、役務」にアクセス可能と定める。RAA交渉の正式開始時に国防相を務めていたロレンサナ現基地転換公社総裁は7月、まにら新聞の質問に対し、「締結されれば自衛隊の比国軍基地の使用も可能になる」との見解を示した上で、自衛隊用の施設を比国内に建設するアイデアもあることを明らかにしている。(竹下友章)

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