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【新聞論調】対面授業で教師へ不当な負担 教室の改修は教師個人の責任か

[ 951字|2022.4.17|社会 (society)|新聞論調 ]

教育省のモジュールが政治的プロパガンダに利用されていることにはほとほと嫌気がさしたが、さらにまた別の問題が明らかになった。

 教育省のモジュールが政治的プロパガンダに利用されていることにはほとほと嫌気がさしたが、さらにまた別の問題が明らかになった。

 1万校以上の公立・私立学校で新型コロナ防疫規制に関する警報レベルが緩和されたため対面授業が再開されることとなった。しかし再開に際して教室の改修が必要で、その費用を教職員が負担していると教職員組合や教員組合連合などが明らかにした。

 それによると教師らは対面授業再開に向けた教室の改修のため材木やペンキ、ガラスなどの購入に私費を投じたり募金を募ったりし、さらに改修作業を無償で行っているという。

 同連合のバサス委員長は、「教室の改修が教師の責任として押し付けられている」と指摘している。

 また、組合のバジリオ事務局長は、「教師らは学習危機が憂慮すべきレベルにまで達しているため、対面学習の再開を切望している。しかし教師ばかりに物理的負担と経済的負担を負わせることは公平ではない」と訴えている。

 教育省はすべての省庁の中で最大の予算が割り当てられているにもかかわらず、教室の不足、教師の給与不足、学習の質の低さに常に悩まされているという矛盾を抱えている。そこへ世界最長のロックダウンだ。やむなくオンライン学習への移行となったが、授業に参加するために必要な環境が整わない子供らにとっては悲劇の始まりだった。

 この混乱は、2700万人もの子供らの学ぶ権利に影響を与えたと、国連児童基金(ユニセフ)が2021年8月に報告している。また、先週発表されたユニセフの別の報告書ではさらに憂慮すべき事態として、世界122カ国の中で比の学校が最長となる70週間以上閉鎖されているとし、その結果、比の学童の15%、つまり20人に3人が簡単な文章を読むこともできなかったと報告している。

 学校の再開は歓迎すべきことであり経済も活性化させるが、新常態のもとで教室の安全性を確保する責任は教師が負わなければならないのか。教師には純粋に教育に力を入れられる環境が必要だ。教室の改修で減った給料の心配などする必要のない環境だ。

 さらに政府は教師の給与を上げるという約束を果たしていない。ドゥテルテ政権下で高額の賃上げが行われた兵士や警察に比べて、教師への賃上げは遅れているのだ。

新聞論調