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8月30日のまにら新聞から

生徒を置き去りにするな 10月の学校再開

[ 651字|2020.8.30|社会|新聞論調 ]

 今週最も心を動かされた話は、マニラ首都圏で小さな私立小学校を運営する女性教師のことだった。新型コロナウイルスの大流行(パンデミック)のため、多くの親が子どもたちの授業料を支払えなくなったが、この教師は全生徒に2019〜20年度の修了証明書を発行した。

 しかし、コロナ禍が長引き、親が生活の糧を失ったり、収入が激減したりして、子どもを学校に送る余裕がなくなった。新学期の生徒数は激減し、学校を閉鎖せざるを得なくなった。最近は家で作った料理を屋台で売っており、「パンデミックで失業し、支援が必要な教師」との看板を掲げている。

 こうした教師は彼女だけではない。教育省によると、全国の私立の小学校とハイスクール(中学高校)計約440校が、入学者減少のために運営を停止している。私立学校から公立学校への転校者も増加し、幼稚園からハイスクールまで計38万人に上る。

 オンライン学習がウイルス感染から子どもを守ることになると言われているものの、1年間学校に通わせないことを選択している親も多い。対面でない授業用教材の不足やネット環境の悪さも懸念されている。

 新学期に向けた登録を終えていない生徒は、私立学校275万人、公立学校100万人以上、計400万人近い。これだけの生徒が義務教育から取り残されていいのだろうか。10月5日に再延期された公立学校の授業再開まで、まだ1カ月以上ある。政府は私立学校の支援に力を入れる以上に、新形式の公立学校の授業への参加者を増やす努力をすべきだ。(27日・スター)

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