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12月16日のまにら新聞から

クリスマスに限らず対策を 物乞い取り締まり

[ 649字|2018.12.16|社会|新聞論調 ]

 クリスマスシーズンに子どもが物乞いをしないよう政府が取り締まりを開始したことを、通行者の多くは歓迎しているだろう。物乞いをする子どもたちは拉致や交通事故の危険があるだけでなく、金を渡さなかった人の車を壊そうとすることもある。さらに、多くの子どもたちは空腹を紛らわすため、はばかりもせず薬物を使っているのだ。

 彼らの中には、罪に問われない年齢であることを逆手にとり、非行や犯罪に走る子どももいるということに目を向けなければならない。そうした子どもはジプニーの乗客の携帯電話やネックレスを奪い取ったり、ジプニーの天井に飛び乗り、運賃を入れる箱を運転席から強奪したりすることもある。

 彼らは警察に補導されたところで、反抗はするが反省はしない。保護施設から保護者の元に引き渡されると、すぐさま路上に戻り、物乞いや非行を始める。

 フィリピンには、そうした子どもを保護、更生、教育するための施設が圧倒的に不足しているのだ。路上生活者は大きな国際会議が開かれる度に強制退去させられるが、根本的な解決策がとられていないのでその数は増え続けている。現金給付による支援も十分に行き渡っていない。

 物乞いのような人々こそ、無償の義務教育すら子どもに受けさせる余裕がない人々なのに、状況は改善していない。せめて、文字の読み書きだけでも学ぶことができれば、義務教育から脱落しない子どもは増えるはずだ。「クリスマス期間限定」の対策ではなく、彼らの人生そのものを変えるような救済が必要なのだ。(15日・スター)

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