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12月16日のまにら新聞から

国軍の活動に根拠を 戒厳令延長

[ 635字|2018.12.16|社会|新聞論調 ]

 戒厳令は緊急事態に対応するための「伝家の宝刀」だ。その前には深刻な二つの政治的、法的な問いが立ちはだかる。政治的には「戒厳令は正しいか」という問いであり、法的には「事実に照らして許されるか」という問いだ。

 マラウィ占拠事件を整理しよう。市長や警察官はイスラム過激派の侵攻を防ぐため、マラウィ市役所にバリケードを組んで立てこもった。こうした状況では戒厳令は有効で、国軍が介入し、行政の立て直しを図ることができる。しかし、そのように銃弾が飛び交うこともなく、平常通り自治体が機能している場合、戒厳令を敷かなければできないこととは何だろうか。

 憲法では反逆により政権転覆の脅威が「現実に」ある場合、戒厳令を発令できるとある。2018年2月の時点では、マラウィでの交戦終結後に態勢を立て直そうとする過激派を掃討する必要があった。では19年に考えられる脅威とは何か。

 ミンダナオ地方の治安を守り、不法な銃器の使用を取り締まるためなら、戒厳令は不要だ。国軍にはそもそも、警察を補助し、地方での公共事業の警護をしたり、災害救助を行うために十分強力な権限が与えられている。

 戒厳令延長は予算がかさむばかりで、かえって国軍の活動を制約すると指摘する人もいる。国軍が職務を全うできるよう、適切な法的根拠を与えるべきだ。われわれは、マルコス独裁後の政権では戒厳令が正しく運用されたと次の世代の人々に伝えられなければいけないのだ。(10日・インクワイアラー、オスカー・タン氏)

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