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11月9日のまにら新聞から

危険薬物委員会の活用を 関税局の汚職対策で

[ 805字|2018.11.9|社会|新聞論調 ]

 汚職と麻薬の撲滅というドゥテルテ大統領の2大公約を果たすという意欲を大きくそぐ事件が相次いだ。何トンもの麻薬が関税局を通じて密輸されていたのだ。その結果、国家警察幹部だったラペーニャ氏と海兵隊出身のファエルドン氏の両局長が更迭された。大統領は関税局の運営に国軍を関与させることを決めている。

 しかし、この決定については、憲法で国軍の現役兵による文民公務員職への就任が禁じられているとして抗議の声が高まっている。これに対しパネロ大統領報道官は憲法の別の条項を例に出して、無法状態や反乱に対して大統領は国軍を投入することができることから、今回の措置も合憲だと釈明している。

 大統領が麻薬撲滅を政権の最優先政策に据えていることは理解できる。また、一部の人々が国軍の関与に明らかなショックを受けて恐れを抱いている一方で、政府機関の汚職により麻薬の流入が続いていることに国民の間に不満が高まっていることも否定できない。麻薬の密輸が続いているという現実を前にすると政権が麻薬撲滅キャンペーンに真剣に取り組んでいるのだろうかという疑念が国民の間で当然出てくる。軍出身の関税局元局長で密輸対策専門家のファロラン氏らは最後のラペーニャ局長が更迭された後の政府の対応はちぐはぐで、明確な行動計画がなかったと推測する。ファロラン氏は軍や外部の人間ではなく、むしろ関税局の生え抜き幹部を責任者に任命するのが良いと提案している。

 筆者も、大統領府直轄で麻薬撲滅戦争を率いるべき立場である危険薬物委員会(DDB)を最大限利用することを提案したい。同委員会は17人の委員からなり、うち9人は現役閣僚で残りも閣僚経験者などからなる。政策立案チームで、麻薬取締局(PDEA)を通して取り締まりを行うことが共和国法で決められている。同委員会が前面に出て対策を講ずれば現政権も成功に近づけるはずだ。(6日・ブレティン、ジョーイ・リナ)

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