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12月3日のまにら新聞から

戦時暴力から女性守れ 未解決の慰安婦問題

[ 630字|2017.12.3|社会|新聞論調 ]

 日本政府は、旧日本軍による従軍慰安婦問題について、歴史が歪曲(わいきょく)され、日本たたきの材料にされているとしてきた。米サンフランシスコに建てられた慰安婦像をめぐり、大阪市は60年にわたったサンフランシスコとの姉妹都市を解消した。像を建てた米側は「いまだに日本は、この戦争犯罪の責任を認めず、元慰安婦たちが亡くなるのを待っている」と憤る。

 慰安婦問題について、フィリピン政府は1956年の比日賠償協定で決着済みとの立場だが、アジア女性基金による個別の償い金は多くの元慰安婦女性に渡った。

 太平洋戦争中、比では推計千人の若い女性が強制的に日本軍の慰安所に集められた。支援団体「リラ・ピリピーナ」によると、うち174人の名前が特定されている。

 比大歴史学のリカルド・ホセ教授は「慰安所は部隊ごとに計画的、組織的につくられた。パナイ島イロイロでは日本軍の軍医が慰安婦の健康診断もしていた」と指摘する。未解決のこの問題は、日本が新たな軍事大国の道を進む中で再び表面化した。

 また、ミャンマー政府と対立する少数民族ヒンギャの女性をめぐる問題でも、戦争においては女性が戦利品のように扱われることがあらためて示されている。

 サンフランシスコの像を建てた女性たちは「戦時における暴力とレイプから女性をいかに守るかという問題だ」と訴える。米芸能界のセクハラスキャンダルが示すように、声を上げることこそが状況を変えるのだ。(11月30日、インクワイアラー)

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