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12月4日のまにら新聞から

比共産党に注意せよ マルコス埋葬問題

[ 730字|2016.12.4|社会|新聞論調 ]

 マルコス元大統領の英雄墓地埋葬に対する抗議活動がどれだけ活発になっても、私は彼らが重要な問題について議論しているとは思えない。今われわれフィリピン人にとって大切なのは、マルコスが英雄であったか否かではなく、自由で神を恐れる民主主義国家であり続けるのか、それとも神を恐れない共産主義独裁政権の出現を望むのかという問題である。

 マルコスが死去してもう27年たつ。カトリックの教義によれば、神のみが正義を伴った名誉を本人に与えるか否かを決めることができるのだ。しかもマルコスの遺体は法律的に許される範囲で埋葬された。マルコス家も今回、国葬ではなく家族葬として埋葬式を行った。

 英雄墓地埋葬について議論が高まっているのは、実はいくつかの現実から目をそらせたいという意図が背後にあるからだろう。その一つはドゥテルテ政権による麻薬撲滅政策がある。70万人以上の麻薬使用者が出頭し5千人近い密売者がすでに殺された。町長が留置所内で殺される事件も起きた。この問題から目をそらせる必要がまずあったのではないだろうか。また、ドゥテルテ政権内の一部閣僚など共産勢力による共産革命政権擁立の計画もある。そして埋葬問題に対する世論喚起を背後で操る比共産党や新人民軍による政府との和平合意とその前提条件である政治犯の大量釈放要求という政治目標も背景にある。

 われわれはマルコスのことをしばらく忘れて、この共産党の計画に対して注意を払うべきではないか。私はマルコス政権期に情報相を務めたが、当時の戒厳令は共産勢力を食い止めるためには必要な政策だった。マルコスが戒厳令を布告しなければフィリピンは現在、共産主義国家になっていただろう。(2日・タイムズ、フランシスコ・タタッド氏)

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