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12月4日のまにら新聞から

法成立で家族を支援せよ 避妊薬や育児休暇法案

[ 717字|2016.12.4|社会|新聞論調 ]

 フィリピン人の世帯に大きな影響を与える法案が行き詰まっている。それらは、避妊薬を普及させる法案と育児休暇を100日間まで拡大する法案、そして死刑復活法案と未成年に対する刑事罰の対象年齢を現行の15歳から9歳まで引き下げる法案で、それぞれまだ成立もしくは実施されずにいるからである。

 すでに発効している人口抑制法の一部である避妊薬普及法案については現在、最高裁が長きにわたり実施を一時差し止めている。そのため新しい避妊薬の承認はもとより、国内にある既存の避妊薬も使われずに有効期間を失いつつある。最高裁がこのまま差し止め命令を延長し続ければ、国内から避妊薬がなくなり、家族計画の主要な柱である避妊ができなくなってしまうのだ。これこそ家族の、特に母親にとって避妊の自由がなくなり、望まない子どもが増え、さらに家族が貧しくなるという悪循環が続くことになるのだ。

 育児休暇を100日間に拡大する法案も下院議会でこのほど社会保険機構(SSS)から反対を受け、下院小委員会に差し戻された。女性従業員に対する福利厚生を拡充する法案は、この機構にとっては予算の増大につながるため好ましくないのだ。現在のように、出産直後の母親がすぐに職場に戻らなければならず、幼児に授乳するのも困難な状況が続けば母親や子ども、家族にとって不幸な状況ではないだろうか。

 死刑復活法案や未成年に対する刑事罰対象年齢の引き下げ法案がいまだ国会を通過していない状況は、治安状況改善の機会が引き延ばされていることを示している。最高裁が避妊薬の普及法案への差し止め命令を引き延ばし続けることは社会に対する抑圧でもある。(3日・スタンダード、エリザベス・アンシオコ氏)

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