ドゥテルテ氏 副大統領選出馬受諾 現任期と合わせ18年君臨も?
ドゥテルテ大統領が来年5月の正副大統領選で、副大統領候補として立候補へ
ドゥテルテ大統領は24日までに、来年5月の正副大統領選で、副大統領候補として立候補を求める最大与党PDPラバンの決議を受け入れた。同党副総裁のノグラレス内閣相が24日、記者団に明らかにした。9月8日の党大会の場で正式に発表される見込みだ。
ドゥテルテ氏とペアを組む大統領候補としては側近のボン・ゴー上院議員が有力視されているが、10月1日の立候補届け受付開始までの政界の動きによっては、娘でダバオ市長のサラ氏と組む可能性なども残っており、なお不透明だ。副大統領にドゥテルテ氏が当選した場合は連続2期まで就任が可能になる。
ノグラレス氏は大統領が受諾した背景について「バランガイ(最小行政区)レベルから党の州支部に至るまで政権の継続性を求めて出馬を要請する声が高まっており、大統領はそれを受け入れる決断をした」と説明した。
政権の継続性で重視している政策としてはテロとの戦い、汚職撲滅、貧困問題解決、麻薬撲滅政策、「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」の掛け声のもとに進めてきたインフラ整備推進などを挙げた。また、PDPラバンの上院選候補としてはホナサン情報通信技術相、パネロ大統領法律顧問、トゥガデ運輸相、ビリヤール公共道路事業相、マルコレタ下院副議長の名を挙げた。
ロケ大統領報道官はドゥテルテ大統領が23日夜にPDPラバン総裁のクシー・エネルギー相、ビサヤ地方担当の大統領府幹部らと会合を持ったことを明らかにしており、この会合で大統領は最終的な決意を固めたもようだ。
フィリピン憲法は大統領の任期は1期6年限りとしているが、7条4項は、副大統領は連続2期まで就任可能と定めている。
仮にドゥテルテ氏が22年と28年の選挙で副大統領に連続当選し、大統領も与党候補の当選が続けば、ドゥテルテ氏は大統領任期と合わせて連続18年にわたって政権中枢に居座り、「影の大統領」的な存在であり続けることも可能となる。
比史上、副大統領が大統領になった例はアロヨ大統領など多々あるが、大統領経験者が副大統領になったり、副大統領が連続2期務めた例はない。(石山永一郎)