託される戦争の記憶(下) 家族の歴史に今を学ぶ 防空壕のある家と祖父母の話
[ 1373字|社会 (society) ] 無料米軍兵として日本軍と戦った祖父を持つ比系米国人サントスさんに話を聞いた
首都圏マカティ市に住むフィリピン系米国人アーティストのジョン・サントス(55)は幼いころ、よくブラカン州にある母方の祖父母の家に滞在した。庭には地下防空壕とその鉄製の厚いふたが残る家だった。祖母ジナイダ・アドリアーノは朝ごはんの時によく戦時中の話をしてくれた。サントスにとって家族の歴史を語り継ぐことは「どんなに平凡な内容であっても、人生の視野を広げる上で大きな価値がある」という。2003年に他界した祖父のフランシスコ・アドリアーノは第2次世界大戦中、フィリピンで極東米軍兵として日本軍と戦い、生還していた。(敬称略、聞き手は深田莉映)