マルコス大統領が2024年末までに署名した25年予算法にある複数の項目が空白になっていると一部の下院議員やドゥテルテ前大統領が指摘し問題となっている。これに対し大統領は「空白などはない。前大統領は嘘つきだ」と強く批判し、エスクデロ上院議長も「根拠のない話だ」と打ち消した。
最初に疑問を投げかけたのはイシドロ・ウンガブ下院議員=ダバオ市=だった。ドゥテルテ前大統領もそれに加わり、予算法書面の少なくとも13ページにわたり一部項目が空白となっており、そこに割り当てられた予算が汚職の手段の一つだとポッドキャストで批判を展開した。予算管理省は批判に対し、「悪意のある無責任な噂だ」とし、出回っている空白欄のある書面画像は両院協議会が承認した予算書面の一部であり、大統領が署名した予算法の一部ではないと説明した。
一方、ラクソン元上院議員は2019年予算でも同じ事が起きたと暴露している。ソット上院議長と一緒に両院協議会が承認した予算法案の印刷書面を確認したところ、同様な不適切表記された予算項目が散見されたという。この問題を受けて当時のドゥテルテ大統領は予算法の総額953億ペソに上る一部項目について拒否権を発動した。
ラクソン氏は両院協議会で承認された印刷版法案と大統領に署名のために送られた最終法案書面を徹底的に比較調査するよう訴えている。とにかくこの予算法を最終審議する両院協議会のメンバーを公表することも含め、予算法承認プロセスを透明化することが求められている。
(24日・スター)