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硝煙漂う社会

2011/10/17 社会

相次ぐ凶悪事件

 11日午前、比大ロスバニョス校の女子学生の遺体がラグナ州で発見された。彼女はレイプされてから刃物で刺され、さらに額に銃撃を受けてから、遺体が道路脇の溝に遺棄された。同日、今度は比大ディリマン校の女性職員が首都圏カロオカン市でやはり金品を奪われた後、レイプされて殺されている。また、翌12日には比工芸大の副学長が同マニラ市で車を運転中に銃撃されて死亡した。さらにこの暗殺事件と同じ日にラグナ州で生後2カ月の新生児を含む一家5人がおので惨殺されている。

 年末にはこれらの事件や犠牲者らは、単なる国内の犯罪や治安に関する年間統計資料のデータの一部とみなされるであろう。また、今年の統計は政府の国民を保護する能力のなさを露呈することにもなるのだ。

 2010年7月にアキノ政権が誕生した時、「成長の基盤は平和にある。政権は空気中に漂う硝煙を消すだろう」と意気込みを示した。しかし、豪州の経済平和研究所が発表した10年度世界平和指数ランキングによると、比の平和度は調査対象153カ国・地域中で136位と前年と同じランクで低迷している。比は犯罪性の認知不足や暴力的犯罪、人権尊重やテロ行為の潜在度、小銃へのアクセスのしやすさなどのカテゴリーで厳しい評価を受けた。

 11年初め、大統領府は国民の安全が最優先されると発表し、内務自治省や国家警察に対する予算配分を手厚くした。 政府は治安維持に熱意を示しているが、実際の方策としては一部市民や交通整理員、検察官や各閣僚らの拳銃携帯を認めるといった対処療法に終始している。

 硝煙はまだ周辺に充満している。銃器を所持する力を持たない市民には今後も悲劇が待ちかまえているのだ。(15日・スタンダードトゥデー)

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