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援助パソコン盗難

2004/1/22 社会

別件で逮捕の比人男性が「車の運転手として雇われた」と事件関与の供述

 日本政府の無償援助(総額六億ペソ)でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類の連続窃盗事件で、犯人グループの一人と見られるフィリピン人男性が二〇〇三年八月、パンパンガ州マバラカット町で別件の強盗容疑で逮捕されていたことが二十一日、分かった。男性は調べに対し「車の運転手として雇われ、パソコンを学校から運び出した」などと援助パソコン窃盗事件への関与を認めていた。

 しかし、援助パソコン事件の本格追及前に、強盗事件の保釈が認められたため、現在所在不明となっている。国家警察は、この男性が犯人グループ特定につながる情報を握っているとみて、所在確認を急いでいる。

 国家警察の調べでは、男性はアルマンド・ルグト容疑者。三十代後半で、過去にも同州内で窃盗や強盗事件を起こしていた。

 ルグト容疑者は〇二年二月下旬と〇三年七月中旬の二回、同州マガラン町にあるドロレス高校からパソコンセット(本体とモニターなど)計十九組とプリンター二台などを盗んだ疑い。同校以外の犯行に加わったこともほのめかしていたという。

 同容疑者を逮捕した警察署は、「盗んだパソコン類は(同州)アンヘレス市内にあるコンピューター関連の店に転売した」との供述を得て、転売先へ捜査員を派遣したが、援助パソコンの存在は確認できなかった。

 また、同容疑者は援助パソコン盗難事件での再逮捕を恐れ、詳細な供述を拒否。このためパソコン事件での逮捕状請求は一時棚上げとなり、その間に別件の強盗事件の保釈が認められた。

 援助事業を実施している貿易産業省によると、ドロレス高校には〇一年十二月十日、日本援助のパソコンセット二十組が届けられた。

 ルソン島では〇二年一月から〇三年十二月にかけ、援助パソコンを狙った窃盗事件が七州二十四校で発生。国家警察は、犯人グループがパソコンの設置場所を事前に把握していることから、パソコンの配達・設置を請け負った業者の元関係者が関与しているとみて捜査を続けている。

 日本政府の援助事業は「公立高校のためのパソコン・プロジェクト」で、第一期(〇二年一月・〇三年六月)と第二期(〇四年・〇五年)からなる。第一期では、パソコンセット二万組が全国の公立高校千校に贈られた。第二期(総額五億八千四百万ペソ)では、一万一千組が高校千百校に支給される。

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