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1月28日のまにら新聞から

言い訳は不要 世界最悪の渋滞

[ 708字|2024.1.28|社会 (society)|新聞論調 ]

トムトム交通指標と呼ばれる報告書の中でフィリピンの首都圏の交通渋滞が世界387都市中で最悪の...

 トムトム交通指標と呼ばれる報告書の中でフィリピンの首都圏の交通渋滞が世界387都市中で最悪の都市の一つだったとの発表を受け、首都圏開発庁(MMDA)のロマンド・アルテス長官代行は記者会見を開いた。同長官代行は、調査で明らかになったことへの対処を説明するのではなく、むしろ「(調査が)不公平だ」との不満を述べた。

 比最大都市圏の交通管理を担当する機関が、完全に的外れなことをやっていることに落胆を覚える。オランダを拠点とし、地図作製と交通監視・管理ツールを専門とするソフトウェア会社のトムトムは、全地球測位システム(GPS)データを利用して、交通渋滞がいつどこで発生しているかを特定している。十分な量のデータがあれば、GPS追跡は交通の動きを把握する最も客観的な方法だといえる。

 その分、長官代行が報告書の結果に失望したことは確かに理解できなくもないが、それは首都圏に暮らす誰もが事実上どのような移動手段であれ、日常的に経験していることを実証的に証明したに過ぎない。それ以上に同結果に対する長官代行の「交通渋滞を緩和するためにMMDAがやっていることを説明するよう」報告執筆者に求めるという不満は、ガスライティング(心理的虐待)の最悪の形態だといえる。

 「MMDAが渋滞緩和のためにやっていること」が何であれ、機能していないのは明らかだ。確かに、交通インフラの整備など、コントロール外の要因もあるだろう。われわれも、ただMMDAを糾弾するだけでは、交通渋滞を解決する助けにならないことも理解している。MMDAは単にこうした報告を研究し、対処方法を見直し、決定するだけで良いのだ。(24日・マニラタイムズ)

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