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9月19日のまにら新聞から

リスク軽減努力を

[ 720字|2011.9.19|社会 (society)|新聞論調 ]

災害危機指標

あらゆる国が自然災害に対してぜい弱のはずだ。日本は大地震と大津波による被害から復興途中だし、米国東海岸は強力なハリケーンによって荒廃した。しかしこれらの国は自然災害に対するぜい弱性が高い国のリストに入っていない。まれにみる大噴火を近年だけで2度も経験したアイスランドに至っては、リスクの最も少ない国の上位5位内に入っている。

 国連大学が173カ国・地域を対象に調査した自然災害に対する世界リスク指標で、比はバヌアツとトンガに続いて最もリスクの高い国3位に位置づけられた。比はソロモン諸島、バングラデシュ、、東ティモール、カンボジア、ブルネイ、アフガニスタンなどよりも劣る結果となった。逆に最もリスクが少ないのはカタール、サウジアラビア、マルタ、アイスランド、バーレーン。

 これらの国は台風や地震、津波が発生しにくいだけではない。基準になる複数の指標がある。比は災害の発生のしやすさで45・09%、ぜい弱性で53・93%、被害の受けやすさで34・99%、そして対応能力で最悪の82・78%とされた。

 科学の進歩にもかかわらず、自然は常に予測不可能だ。人間ができる最善のことは災害リスクに対して備え、被害を軽減する努力だ。指標で示された通り、この点で比の能力不足は明らかだ。季節風や台風による雨量を計測する能力さえも不十分で、対洪水準備能力を下げている。

 政治家によるプラスチック包装材の使用禁止提案などはその場しのぎな一面もあり微調整が必要。持続可能な森林管理、ごみ処理・管理の改善、河川や排水溝の清掃とより良い区画整備、災害警報システムの改善、救援態勢・能力の増強などが適用すべきリスク軽減の具体案だろう。(13日・スター)

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