教育の質向上に奮起を
世界大学ランキング
かつてアジアの人々は、トップレベルの教育を受けるために比の大学へ留学し、分野は、農業、芸術、科学、人文学、英語習得など多方面にわたった。
今日、アジアの人々は比の大学に見向きもしなくなり、替わりに世界レベルの教育を受けられる西欧諸国へ向かう。なかには自国内に世界最高レベルの教育機関を設立したところもある。こうした教育機関では、比の大学より良質な教育を受けられる。
英国のロンドンに本拠を置く民間企業が公表した「世界大学ランキング2011」からは、こうしたことが読み取れる。このランキングでは、比国内のどの有名大学も、トップ300校に入らなかった。海外研究に力を注いでいる国立の比大でさえ評価を下げた。
このランキングは、これまで評価基準を疑問視されてきたこともある。しかし、今回の評価にあたっては、過去最大規模数となる3万2千人の大学教授と1万6千人の大学職員が携わったという。
比大は、前年の314位から332位へ評価を下げた。前年評価で国内首位だった私立のアテネオ・デ・マニラ大にいたっては、307位から360位へと急落した。
一方、トップ50校には、公的教育に投資を惜しまず尽力してきた中国、香港、日本、韓国の大学が入った。競争力を求められる世界的な研究分野で高い評価を得たのも、この4カ国の大学だった。これは偶然ではない。
評価基準に疑問があるとしても、比の教育機関が世界的な研究分野で劣っているとされたのは、初めてではない。教育の質の低下は、比に競争力の低下と経済力の伸び悩みをもたらした。今回の結果は、この傾向を覆すために奮起する指標となるだろう。(9日・スター)