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2月25日のまにら新聞から

革命の公約どこに

[ 706字|2008.2.25|社会 (society)|新聞論調 ]

アキノ政変22年

 二十二年前のアキノ政変で、当時のエンリレ国防長官とラモス国軍参謀次長はマルコス大統領が大統領選挙で不正を行ったとして政権支持を取り下げた。それを機に一般市民がカトリック教会の全面的な支持を受けて、三日間にわたる「ピープルパワー革命」を敢行、独裁者を政権の座から追放した。

 故シン枢機卿はラジオ放送で、国民に対して国軍・警察両本部に集まり反マルコス勢力を守るよう訴えた。その呼び掛けを誰もが忘れないだろう。フィリピンは平和的な手段で民主主義を獲得した国家として世界から称賛を受けた。

 暗殺されたベニグノ・アキノ氏の妻、アキノ夫人は一九八六年二月二十五日、大統領に就任し、革命的政府と新共和国憲法の起草を公約した。また、カトリック教会の果たした役割に配慮して、宗教組織を新しい民主主義社会の道徳的羅針盤と位置付け、かなりの特権を認めた。

 だが、「革命」は完結からほど遠く、政治・経済権力を一家族から別の家族に移しただけだった。アキノ、ラモス両政権はそれぞれの六年間で真に意味ある政治改革を達成できず、後続の二政権も同じ轍(てつ)を踏んだ。

 アキノ元大統領は、自身がかつて支持した指導者への支持を取り下げ、もう一度、革命をやり直そうとしている。カトリック教会も政治的中立の建て前を捨てて、ピープルパワーの引き金を引こうとしているようだ。

 単純な疑問が残る。アキノ元大統領は任期中に真の改革を達成できなかったが、現在、国民に何を約束できるのだろうか。カトリック教会も同様だ。二十二年経ってもふさわしい指導者が生まれていない。教会に「判断」を下す権利があるのだろうか。(22日・スタンダードトゥデー)

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