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10月4日のまにら新聞から

映画鑑賞で先見性養え

[ 726字|2004.10.4|社会 (society)|新聞論調 ]

「華氏911」公開

 マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」がついに公開されたのは喜ばしい。遅い公開だが公開されないよりましだ。この映画はアジアにおける「親米国のとりで」として名高いフィリピンの米国に対する見方に影響を及ぼすだろう。数カ月前に執筆した論説の中で国会議員に対し、立法だけでなく思考改善に役立つので同映画を鑑賞するよう勧めた。上下院の外交委員会の委員にもぜひ見ていただきたい。

 同映画は良いタイミングで公開された。米大統領選の直前であるだけでなく、米中枢同時テロ以降のアロヨ政権の対米政策の転換が必要とされている時だからだ。

 映画の中でブッシュ大統領がイラク戦争を正当化をする場面によると、同大統領はテロへの戦いへの最も大きな障害ではなく、逆にテロに最も貢献した人物なのだ。戦争を仕掛けたことによって自国民と国連、そして世界をテロの脅威にさらしたからである。

 数日前、ゴレス前大統領顧問(国家安全保障担当)がテレビのインタビューで、「イラク戦争を強く支持したのは誤り」と認めたものの、「当時は(イラクが大量破壊兵器を隠しているとの)米政府の報告を信じない理由はなかった」と言い訳した。ではなぜわれわれはイラク侵略を支持する以外に選択肢がなかったのか。後知恵で当時の判断を振り返るのではなく、先見の目で物事を見ることが重要なのだ。

 華氏911はブッシュ大統領の愚かな方針を理解する助けになる。またイラクで就労していたアンヘロ・デラクルスさんが拉致された理由を思い出させてくれる。政府はイラク就労を禁止したままだが、われわれがイラク戦争を擁護し続ける限りは、拉致事件は再発し得る。(9月29日・インクワイアラー、コンラド・デ・キントス氏)

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