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10月4日のまにら新聞から

「朗報」は政府の演出

[ 668字|2004.10.4|社会 (society)|新聞論調 ]

2つのニュース

 ここ最近、この上ない「朗報」が立て続けに報じられた。昨年七月にマカティ市内で反乱事件を指揮した国軍将校ら六人がアロヨ大統領に謝罪。さらに大統領府麻薬取締局によるセブ州にある国内最大の覚せい剤密造工場の摘発が大々的に報道された。だが、これら二つのニュースは演出されているとわたしは見る。

 将校らの謝罪はあまりにも突然で抜け目がなく、反省し過ぎていて信じ難い。一年前に武装蜂起して同市内のホテルを占拠し、汚職にまみれた絶望的なアロヨ政権に歯向かったばかりなのだ。

 政権との間に何らかの取引があったかどうかの証拠は何もない。だがこのタイミングやこれまでの将校らの非愛国的な態度を考慮すると、疑う余地は大いにある。経済問題で足元が揺らいでいる大統領にとって一面を飾る肯定的な大ニュースが必要だったのだ。

 そしてセブ州の覚せい剤密造工場の摘発だ。この密造工場は東南アジア最大の規模らしいが、それならばなぜ政府は摘発までこんなに時間を費やしたのか。また、なぜこの密造にかかわる黒幕について発表がなく、逮捕者が中国人ばかりだったのか。

 セブ州は先の大統領選で大統領を最も支持した地域だった。集票に協力した大物実業家や政治家はこの覚せい剤密造でもうけた大金を手に、既に国外に逃げているかもしれない。

 もしこの将校らの謝罪と密造工場の摘発が演出されたものなら、大統領の助言者がより賢く洗練され、メディアを上手に扱うようになったと言わなければならない。大統領、私の直感は一度も外れたことはないですよ。(9月27日・スター、テオドロ・ベニグノ氏)

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