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3月1日のまにら新聞から

大統領の資格なし

[ 665字|2004.3.1|社会 (society)|新聞論調 ]

討論を避ける候補者

 大統領候補の選挙キャンペーン用に膨大な資金がマスコミに流れている。ラジオやテレビにインタビューされるために、進んで謝礼を支払う候補者さえいる。しかし、有権者にメッセージを届けようとするならば、どの候補者も対立候補とのテレビ討論を進んで行うべきである。

 全候補者による討論会は、候補者の単なる宣伝に終わるようなことがあってはならない。今後六年間を任せるにふさわしい候補者が誰か、有権者は知りたがっているのだから。

 フィリピンは大きな難題に直面している。国民は候補者がいかに難問を解決するのかを知りたがっている。国民は、大統領の座を目指す人々に失望するかも知れないが、少なくとも「よりましな悪」を選択しなければならない。

 選挙戦をリードするポー候補は、人気映画俳優として認知度が高いからマスコミに顔を出す必要がないと考えている。しかし、彼こそテレビ討論に参加するべきだ。ポー氏の考え方は、国民にとってはいまだ謎なのだ。映画の脚本以外で、彼の見識を国民にはっきり示す必要がある。

 スラム街でポー氏が対立候補と討論すれば、相手は熱狂的なポー氏の支持者に腐ったトマトを投げつけられ、退場の憂き目にあうだろう。ポー氏は国が直面する深刻な問題に対して子供じみた理解力しか持ち合わせていず、それは彼の大統領としての資質に不吉で醜い影を落とすだろう。

 テレビ討論では特定の意図が排除され、候補者はフェアに扱われるべきだ。討論は決して時間の無駄ではない。このような討論を恐れ、避ける候補者に大統領を目指す資格はない。(2月24日・スター)

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