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8月16日のまにら新聞から

急がれる安全性検査

[ 618字|1999.8.16|社会 (society)|新聞論調 ]

リサール州の土砂崩れ災害

 マイホームを手に入れるという夢はだれもが持っている。

 政府はマルコス時代から庶民にも購入可能な低価格住宅地の建設を計画してきたが、明日の食糧を確保することが困難な発展途上国では、その夢の実現はなかなか容易ではなかった。

 そしてついに、アキノ政権下で政府は、奨励金制度を設けて民間の宅地開発業者を促し、首都圏近郊などで低価格住宅の建設に着手することに成功した。その結果、今では十八万—三十六万五千ペソ程度で四十平方メートルの一戸建て住宅が購入できるようになった。実際の建設にかかる費用は約十万ペソとされている。

 土砂崩れ災害に見舞われたリサール州アンティポロ町の「チェリーヒルズ・サブディビジョン」のような住宅地である。

 約四百戸の住宅が倒壊し、六十人近い住民が生き埋めになった今回の災害で、人々は十万ペソの家に対する安全性に疑問を抱き始めた。家自体は雨や強い風にもびくともしないだろう。台風で倒壊することもないだろう。だが、土砂崩れが起きたら‥‥。きっと十万ペソの家はひとたまりもなく、土砂とがれきの下に埋もれてしまう。

 大統領の諮問委員会や専門家による災害の原因調査が進む中、自治体や政府の関係省庁は、このような危険な立地条件にあるそのほかの住宅地の安全性を早急にチェックするべきだ。同様の災害はいつ起きるか分からない。チェリーヒルズの悲劇は、「神の仕業」であるとともに防ぐこともできたはずだから。 (11日・スター社説)

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