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8月16日のまにら新聞から

本紙が選択した道

[ 565字|1999.8.16|社会 (society)|新聞論調 ]

「報道の自由」めぐり

 エストラダ大統領と一部の報道機関との間で起きたあつれきは、「民主国家における報道の自由」という原則に対する大統領とマスコミの見解の違いから生じたものだ。

 映画俳優からサンフアン町長、上院議員、副大統領を経て今の地位に上りつめた大統領は、これまでマスコミ報道の中心に置かれたことがなかった。批判されることもそんなになかっただろう。

 そのため、大統領は就任後、自分や親族、クローニー(取り巻き)たちの批判記事が掲載される度に、「悪意に満ちあふれ、正確性に欠けた偏向記事だ」と反論してきた。

 大統領は、政府を持ち上げる「ちょうちん記事」だけを期待しているようだ。だが、われわれ、マスコミの存在意義は「権力の監視」である。それを放棄してしまったら、報道することの意味はなくなってしまう。

 本紙が政府を陥れるために批判記事を掲載していると、大統領は思っているらしい。しかし、全くの筋違いである。報道することでその過ちを正し、より良い社会を作るとともに、国民の「知る権利」を守るという大義をマスコミが担っているためだ。

 本紙はこれからも、政府の汚職や社会悪に目をつぶるようなことはしない。わが国の憲法が「報道の自由」を保証している限り、真実に近づくため、良いことも悪いことも報道していくことを誓う。(10日・インクワイアラー社説)

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