比がアジアトップ維持 WEF23年男女平等指数
23年ジェンダーギャップ指数で、比はランクを上げ、世界16位。アジア最高水準を維持
世界経済フォーラム(WEF)が21日までに発表した2023年版「世界ジェンダーギャップ報告書」(男女平等度ランキング)によると、フィリピンは前回から3ランク上げ、世界146カ国中16位と、昨年に続きアジアトップの座を維持した。
同報告書によると、フィリピンのジェンダーギャップ(男女平等度)指標は前年比0・009ポイント増で、アルバニアやスペインと並ぶ0・791だった。
オーストラリア(26位、0・778)、カナダ(30位、0・770)、米国(43位、0・748)など主要な先進諸国を上回っており、東アジア・太平洋地域のなかではニュージーランド(4位)に次ぐ2番目に高い評価だった。同報告書は下位項目ごとの男女平等度を0~1の間の指数で評価し、1は完全な男女平等を意味する。
同指標を構成する下位項目を見ると、比は「学歴」で1に近い0・999(32位)、「健康と生存」で0・968(86位)とほぼ男女平等に近い評価を確保した。また、「経済参加・機会」では、労働参加率が「女性は男性より24・72ポイント低い」と前回より若干格差が拡がったものの、フィンランド(20位、0・783)や米国(21位、0・780)より高い0・789で17位につけている。
しかし、「政治的エンパワメント」の項目では、女性国会議員比率や女性大臣比率でいずれも30%を下回り、前回よりも女性比率が下がったことなどを反映し、0・409で30位だった。
同報告書は比について「3ランクの改善がみられたものの、18年度(0・799)の水準にはまだ回復途上である」と分析している。
▽男女平等進まぬ日本
男女平等指数のトップ3は北欧勢が独占し、「政治的エンパワメント」で抜き出たスコアを出したアイスランドが1位、次いでノルウェー、フィンランドの順だった。
一方、日本は2年連続でランクを落とし、22年比9ランク下落の125位(0・647)と過去最悪だった。「経済参加・機会」(123位、0・561)に加え、女性国会議員比率10%や女性大臣比率8・33%などの数値が反映された「政治的エンパワメント」(138位、0・057)が全体の順位を下げる大きな要因となった。(沼田康平)