フィリピン手話の使用拡大へ 学校や公共機関で 法成立
フィリピン手話法成立で、学校や教育機関でのフィリピン手話の使用拡大へ
ドゥテルテ大統領は14日までに、フィリピン手話(FSL)を国の正式な手話言語として認定し、公共機関や学校でのフィリピン手話使用や通訳を広める「フィリピン手話法」(共和国法11106号)に署名、成立した。法成立に伴い、聴覚障害者コースを併設するデラサール大学(首都圏マニラ市)では13日、フィリピン手話への理解を深めるフォーラムが開かれた。
法成立の背景には、比の聴覚障害者の間では広くフィリピン手話(FSL)が使われているが、学校ではアメリカ手話(ASL)が教えられるなど2手話が混在、不便が生じていたことがあった。同法成立で聴覚障害者教育ではフィリピン手話の授業を必須とし、また政府機関、法廷、テレビなどでのフィリピン手話通訳を増やす。
デラサール大のフォーラムには、同大聴覚障害者コースで学ぶ学生200人や教育関係者ら計400人が参加。同法の下院法案を提出し、成立に向け働き掛けを行ってきたアントニオ・ティニオ下院議員は「やっと成立にこぎ着けた。今後はさらに一丸となって法履行に向け活発に動いてこう」と聴覚障害者コミュニティーに呼び掛けた。
フォーラムではフィリピン手話の歴史や各地方での多様性についても説明された。比での手話教育について話した同大のロウェラ・タンフサイ教授は「フィリピン手話は私たち比人聴覚障害者のアイデンティティー。私たちの母語・第1言語はフィリピン手話でありアメリカ手話ではない」とし「幼児、児童に対するフィリピン手話教育も強化していきたい「と展望を語った。(冨田すみれ子)