アジアの学生と小型衛星開発 九工大、技術伝授目指す
九州工業大(北九州市)はこのほど、アジアやアフリカからの留学生と共同で開発した通信用の超小型衛星を報道陣に公開した。衛星の製作や運用に関わる技術を発展途上国に伝え、海外の大学との連携を深めるのが一番の狙い。春に国際宇宙ステーションへ運び、日本実験棟「きぼう」から放出する計画だ。
衛星はほぼ立方体で、1辺が約10センチ、重さ1・1キロ。モンゴル、バングラデシュ、ガーナ、ナイジェリア各国の大学を経て来日した学生らと、九工大の大学院生らが、1年半ほどかけて計5機を作った。
宇宙に放出してからの運用には、台湾とタイの大学も参加。衛星を経由して大学間で通信したり、発信と受信の時間差を計測しながら衛星の位置をたどる実験をしたりするという。
衛星作りを指導した趙孟佑教授(航空宇宙工学)は記者会見で「留学生が母国に帰って衛星を作り運用することで、初めて成功と言える」と語り、研究成果の普及に意欲を示した。(共同)