台湾、犬猫の殺処分廃止 アジアで2番目
台湾政府はこのほど、捨てられた犬や猫などを収容する各地の公立施設で行われてきた犬猫の殺処分を同日から全面的に廃止したと発表した。台湾政府によると、アジアではインドに次ぐ2番目の導入で、世界的にも例が少ない。
動物管理を担当する農業委員会(農業省)は「台湾の動物保護の取り組みで、重要な一里塚だ」と強調した。
台湾では2015年2月、世論の高まりから2年後の殺処分廃止を明記した動物保護法改正法が成立。準備期間を経て実施に移された。
現在、台湾全土の施設に収容されている動物は約2万6千匹で、大半が捨てられたり野良になったりした犬や猫。殺処分廃止により収容しきれなくなる懸念もある。
農業委員会の黄金城(こう・きんじょう)副主任委員は「野良犬を生み出さないよう、源から効果的な管理ができなければ収容数は減らない」と述べ、飼い主の責任明確化や生命を尊ぶ学校教育、動物の避妊措置などを今後も一層徹底していく考えを示した。
日本では殺処分は減少傾向にあるが、環境省の統計によると、2015年度には全国で約8万3千匹が処分された。(台北共同)