「大統領暗殺を依頼」 夫人、下院議長も対象
サラ副大統領「私が殺された場合、大統領夫妻と下院議長を殺害するよう殺し屋と契約した」
副大統領室の機密費不適正使用疑惑に関連し議会侮辱罪で下院に拘束されたズレイカ・ロペス副大統領首席補佐官を21日夜に訪問して以来、下院にとどまり続けていたサラ副大統領は23日未明にオンライン会見を開いた際、支持者から ドゥテルテ家を一層する作戦が進んでいるされることへの対応について聞かれ、「もし私が殺されたら、BBM(マルコス大統領)、リザ・アラネタ(大統領夫人)、マーティン・ロムアルデス(下院議長)を殺害するようある人物と契約している」と発言した。さらに、「これは冗談ではない。全員殺すまでやめるなと伝えてある」と念を押した。
ロペス氏は副大統領室の機密費不適正使用の内容を知るとされる人物で、20日の下院公聴会で会計検査院に対し、下院の調査に協力しないよう要請する書簡を出していたことが明らかとなり、下院に拘束されていた。その後下院は22日夜にロペス氏をマンダルーヨン市の女子刑務所に移送するよう命令を出したが、その命令を知ったサラ氏がロペス氏の代理人の資格で面会し、そのまま下院留置施設にとどまり、ロペス氏の移送を物理的に拒否。そんな中、収容施設でオンライン会見を開いた。
オンライン会見でロペス氏は「わたしは何の犯罪も犯していない。25日の公聴会まで拘束されているだけの人間。この国に人権はあるのか」と涙ながらに語った。
サラ氏は大統領、ロムアルデス下院議長のほか、サラ氏を追及する下院行政規律委員会のジョエル・チュア委員長を批判。「かれらはいつもこちらを無礼だというが、副大統領室に無礼なのは向こうだ。われわれは仕返しをしているだけだ」とし、さらにマルコス大統領がコメ価格を引き下げるとの公約を達成できていないことにも触れ、「うそつきで、大統領としての振る舞いを知らない人間が国を率いているせいで、この国は地獄に落ちつつある」とした。批判の中で、父のドゥテルテ氏が多用した罵倒語を繰り返した。
ロペス氏は23日午前に「パニック発作を起こした」として病院に搬送。下院警備班は、ロペス氏の診察結果が全て正常だったと発表した。
大統領府は23日午前に声明を出し、「ベルサミン官房長官が、現時点の脅威を大統領保安司令部(PSC)に報告し、ただちに適切な措置をとるよう求めた」と発表。「大統領の生命に対するいかなる脅威も常に真剣に受け止めなければならないが、今回の脅威が明確かつ明確な言葉で公に明らかにされた場合にはなおさらだ」とした。
サラ氏は自身の発言について、「自分の安全に関する質問への回答の一部として言ったものであり、起訴可能なものではない」と主張している。(竹下友章)