ハロハロ
阪神タイガースの沖縄春季キャンプ以来、1年10カ月ぶりに沖縄を訪れ、仲間6人と5日間、沖縄本島をドライブ旅行した。共同通信那覇支局開設50周年の集会に誘われての旅行だったが、天候に恵まれ、久しぶりに青い海原の風景を満喫した。特に本部半島沖の古宇利島に渡る古宇利大橋から見た東シナ海の眺望がすばらしかった。海の中を一直線に伸びる2キロ近い白い橋を海風に吹かれながらゆっくり歩いて渡った。
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沖縄観光の定番コースになった美ら海水族館では回遊する巨大なジンベイザメ3頭に再会した。最大のオス「ジンタ」の全長は8・4メートルに及ぶ。水族館を出て沖合を見ると、米軍の艦砲射撃で島の形が変わったといわれる伊江島が目の前に浮かぶ。沖縄返還前に企画取材で同島を訪ねたのは40年近く前になる。島は「沖縄戦の縮図」と言われるほど激しい戦闘に巻き込まれ、住民強制移動や土地収用などに振り回された。
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沖縄戦の悲惨さを描いた丸木位里・俊夫妻の大絵画「沖縄戦の図」が展示されている佐喜眞美術館に寄った。絵画の大きさは横8・5メートル、縦4メートル。絵画の隅に「集団自決とは手を下さない虐殺である」と記されていた。建物の構造は沖縄地上戦終結の6月23日の太陽の日没線に合わせて造られ、午後7時に東と西に作られた四角い窓が太陽と一直線に並ぶ。その屋上から米軍普天間飛行場を初めて見た。(富)