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10月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 583字|2010.10.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 約35年前のパリ特派員当時、ソ連大使館の一等書記官から「日本人の対ソ感情」について話が聞きたいと申し入れがあった。中国は日本人に好感を持たれるのにソ連はなぜ嫌われるのか? 一種の背景説明だ。第二次大戦末のどさくさ参戦と領土占領、シベリア抑留、血の粛清に色仕掛けの諜報活動︱︱こわもてイメージが日本人に嫌われるのでは、と事実に即して話した。

 その中国だが、今や日本人から圧倒的に疎まれている。読売の最新世論調査では84%の日本人が中国を「信頼できない」と回答。もちろん、尖閣列島沖の漁船衝突事故、それに続く中国の拡張主義的態度と直結している。衝突が故意で悪質として海保は船長を公務執行妨害で拘置したが、中国の抗議に対して、政府は釈明するだけでしかるべき手を打たなかった。日本の取った措置が正しければ、ビデオも公開して国内外に十分、事態を説明、理解を求めておくのが筋だろう。

 ところが、前提の全く違う話が最近、夕刊紙などに。悪質とされた衝突が実際は偶発的で日本の主張に不利な場面があり、ビデオが公開できないのだと。そういえば船長釈放時の地検談話にも「巡視船の追跡を逃れるためのとっさの行為」(9月25日付本紙)とある。政府は「捜査中」を理由にビデオを非公開とするもよう。領海内で衝突、巡視船を傷つけたのは事実のはず。なぜかくも腰が引けている?(紀)

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