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12月8日のまにら新聞から

在米比人の選択

[ 699字|2008.12.8|社会 (society)|新聞論調 ]

オバマ氏当選の裏側

 米大統領選で民主党の黒人候補、オバマ氏が勝利した直後、米国在住の比人ジャーナリスト、ベンジャミン・ピメンテル氏は「パレン・オバマ(オバマさんよ)」と題した著書を出版。オバマ候補が次期大統領に上り詰めた驚異の道筋と、その選挙キャンペーンに対する在米比人の悲喜こもごもな反応を紹介した。在米比人の反応は要約すれば、「多くの場合は興奮したものの、時々、恐怖と不安を抱えていた」と著者は解説する。

 著者はジャーナリストの視点から街の隅々に出向き、米国を自分の祖国として選んだ比人たちが選挙期間中にどのように行動し、反応したのか、また、比人社会が米国社会とこれまでどのように交差し、衝突し、「不安と希望」の幕開けを迎えようとしたのかを描写している。

 ネバダ州で他の選挙運動要員と一緒にオバマ候補者支持を求めて有権者の家を戸別訪問する比人男性。比国旗を家のガレージに掲揚している有権者や、共和党支持者でありながら、「オバマは他の政治家とは違う」として民主党候補に投票すると答える比人。また、大統領選挙直前に母国に一時帰国する航空機の中で出会った在米八年目の三十歳代の比人女性が「黒人はいつも問題ばかり起こしているから、信頼できない人たち」と言って共和党のマケイン候補に期日前投票したと話した出来事も紹介している。

 最後に著者は「多くの者たちが将来を見つめ、現状を打破し、新しい米国を作ろうと心に決めた結果だ。私の息子たちは四年、いやそれ以上にわたってオバマの顔と声をメディアを通して記憶する。彼らの米国像を決めるのがオバマ次期大統領なのだ」と結んだ。(4日・インクワイアラー、マセレス・ドーヨ氏)

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