新聞論調
教育予算の増額を
比教育省の統計によると、二〇〇六︱〇七年度の小学校における就学率が八三・二二%と四年前の同九〇・二九%から落ち込んだ。また、公立と私立の小学校に就学する児童総数も〇二年度の一千二百九十九万人から〇六年度には一千三百十四万人と、高い水準の人口増加率からすると、わずかに増加したに過ぎない。
このように就学率が低下した要因としては貧困問題が挙げられている。そうだとすると、今年度の就学率などはさらに悪化すると見るべきだろう。一方、アロヨ大統領とサントス国家経済開発長官代理はインフレ率の上昇に伴う経済状況の悪化を非難している。大統領は、保護者の負担を軽減させるため、教育省に対し制服着用を義務付けないことなどを命じた。
しかし、より正確に言うと、大統領や経済開発長官代理が指摘しているインフレ要因説は今年の就学率悪化にのみあてはまると言えるのではないだろうか。なぜならインフレ率が悪化したのは今年に入ってからの数カ月のことであるからだ。過去五年間で小学校の就学率が低下したことの理由にはあてはまらない。
同じ教育省の統計で幼稚園の就学総数を見ると〇二年度の約七十五万人から〇六年度の約九十六万に急増している。また、私立の幼稚園就学総数が公立に比べ三倍近く伸びているという。
ラプス教育長官は問題の核心を理解している。小学校での給食プログラムの実施や各種費用徴集の廃止、民間企業による小学校の「養子」プログラムなど効果的な負担緩和策を進めている。しかし、もっと根本的な対策は教育予算をさらに充実、増額させることだ。論争を呼ぶ社会福祉予算や国会議員向けポークバレル予算を教育に向けるべきだ。(18日・インクワイアラー)