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3月3日のまにら新聞から

「穏健・冷静」を実証

[ 695字|2008.3.3|社会 (society)|新聞論調 ]

集会に過剰反応の政府

 二月二十九日に首都圏マカティ市で開催された大規模な反政府集会を見ても分かるように、現政権支持者たちが、同様集会の平穏な実施を呼び掛ける必要はない。ブロードバンド網(NBN)構築事業の不正受注疑惑に怒りを強める集会参加者たちは、穏健かつ冷静に行動したからだ。

 マカティ市で開催されたのは、異なる宗教団体が共に呼び掛けた「祈りの集会」だった。集会を前に、カトリック司教協議会(CBCP)は大統領に辞任を要求しないことを決め、集会参加も拒否した。それにもかかわらず、多くの司教や修道女たちが反政府支持者らと共にデモ行進に加わり、参加者の多くが暴力、混乱を望まない者たちだった。この結果、集会は混乱なく平和的に行われた。

 それとは逆に、懸念材料となったのは集会に対する政権側の過剰反応と、パニックに陥っている一部の与党勢力からの対応だった。約二年前の大統領選不正問題に絡む盗聴疑惑の際には、首都圏ケソン市にあるピープルパワー・モニュメントへの接近が治安当局によって阻まれた。

 その上、政府は非常事態宣言を発令したほか、反政府色を鮮明にした地元新聞社を急襲した。また、閣僚らの口を封じるため、大統領令第四六四号も発令された。政府が戒厳令の発令さえ検討していたという未確認情報まで飛び交った。

 ブロードバンド網構築事業の不正受注疑惑で拡大する今回の政情不安では、証言者が脅迫などの嫌がらせを受け、警官隊が集会開催を阻止するなどの事態が続いている。穏健さと冷静さを求める訴えは、祈りの集会参加者に対してではなく、集会を非合法だと過剰反応する政府に投げ掛けられるべきだ。 (2日・スター)

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