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2月12日のまにら新聞から

危険なアブへの固執

[ 684字|2007.2.12|社会 (society)|新聞論調 ]

和平交渉団の人質問題

 ミンダナオ地方ホロ島に潜伏する武装集団をテロリストとして拘束することに政府は慎重になるべきだ。イスラム過激派、アブサヤフの指導力は、国軍の討伐作戦で徐々に弱体化しているが、部隊増強のあおりでイスラム最大勢力、モロ民族解放戦線(MNLF)、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)と国軍が交戦する危険性がある。

 MNLFの武力は衰弱したとする政府の見解は、ミスアリ議長支持派による和平交渉団軟禁事件で打ち砕かれた。約数百人の兵員を拠点に持つMNLFは、アブサヤフの残党を追跡している国軍からの攻撃を免れていると喜んでいるだろう。

 政府とMNLFは一九九六年に和平協定を締結したが、拠点は存続している。ドロルフィノ国軍首都圏司令本部長は和平協定の履行状況を確認するためにスルー州を訪問した。

 国軍とMNLFとの間で最近二回の交戦が起きた。ミスアリ議長支持派のマリク氏は和平協定が締結されている状況下でのこの戦闘を「深刻な問題」と警告した。

 マリク氏は、政府、MNLF、イスラム諸国会議機構は和平協定の履行状況を再確認する義務があると語る。しかし、三者会合は十二年間も未開催のまま。マリク氏の行動を正当化することにはならないが、三者会合に対して政府に責任があることは間違いない。

 政府とMILFの和平交渉は進展していない。対テロで世界戦争を展開しているブッシュ大統領と歩調を合わせるように、比政府の関心はアブサヤフ一点張り。アブサヤフにどれだけの兵力がいるのか。MILFは言うまでもなく、ミスアリ支持派と比較すれば、たいしたことはない。(6日・マラヤ)

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