私兵集団の解体を
ガンは違法銃器の野放し
国家警察の報告によると、私兵集団が全国各地に存在し、その数は九十三組織にも上るという。国警は厳しく監視しているというが、五月の統一選実施を控えて私兵集団を持つ政治家同士の対立激化が予想される中、「監視」にとどまらず、武装集団の解体など断固とした対策を講じるべきだ。
この国の合法的な「武装集団」は国軍、それに国警など治安維持機関に限定されている。認可を受ければ銃器所持は許されるが、個人がそれを悪用し、武装集団を組織するのは違法だ。しかし、これはあくまでも法律上のことで、実際には守られていない。この国の政治家たちはほぼ例外なく、銃器携帯の警護員に守られるのを当然視している。そうした警護員たちは軍人、警察官、民間人を問わず、いずれも銃器で武装している。その中には、登録をされず、しかも殺傷力の極めて強い銃器が含まれている。こうした銃器がどのようにしてこの国に入り込むのかは分かっていない。
国警は昨年、全国に出回っている違法銃器数を四十万六千六百八十六丁とした。監視対象の武装集団九十三のうち、ミンダナオ地方のイスラム教徒居住区が最も多く五十六、次いで西部ミンダナオの九、ルソン地方中部の三など。しかし、政治家の人数を考えると、この集団数は控えめだ。それに加え、イスラム系や共産系の組織も大規模な武装集団を抱えている。
選挙は暴力で荒れる。共産党の軍事部門、新人民軍はこの機会を利用して活動を活発化させる。国家警察は統一選期間中の暴力事件防止に取り組むべきだ。銃器や悪者に脅されて投票できなければ、選挙が台無しになる。(6日・スター)