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11月27日のまにら新聞から

妄想を捨てよ

[ 667字|2006.11.27|社会 (society)|新聞論調 ]

改憲議会は無用

 大統領府や下院の過半数を率いるデベネシア下院議長は改憲という強迫観念に取り付かれている。そんな妄想は自滅と同じだ。

 国民は改憲に否定的だ。多くの国民は、大統領が政治的延命を賭けて改憲を望むのは、大統領の正統性にかかわる問題をうやむやにする唯一の方法だからだと思っている。現在の政治体制が無くなれば、大統領の犯罪など論じても仕方がないからだ。

 議院内閣制の下でどう権力を分割し、新しい行政命令系統をつくるかが改憲実現後の真の問題であるが、それは時間と労力を必要とする。

 デベネシア下院議長は、改憲議会方式が国家の最高指導者になる唯一の道と考えている。下院の絶対多数勢力を使って憲法案にある大統領の移行期留任条項を抹殺してしまえばよいのだ。大統領の側近たちはそう懸念している。

 大統領をかばう者たちは「国民は、議院内閣制で生活が改善されると分かっているから改憲を支持する」と主張する。しかし、この改憲では、現政権が存続し、来年の統一選が取り止めになり、国民が現在、享受している諸権利が縮小される可能性すらあるのだ。たとえ憲法改正が国民投票で認められても、機能する前に一院制議会での駆け引きや取り引きで二年はかかる。

 アロヨ政権とデベネシア議長は、改憲の強迫観念を捨てるべきだ。アロヨ大統領は国民の半数近くの支持を得ているのだから、誠実さと決断、率直さ、それにリー・クワンユー元シンガポール首相やマハティール前マレーシア首相のような政治的意志で実行すれば、改憲を実現するより早く国民の生活を改善できるだろう。(24日・タイムズ)

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