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10月2日のまにら新聞から

巨大広告塔の規制を

[ 689字|2006.10.2|社会 (society)|新聞論調 ]

首都圏開発局

 台風「ミレニオ」が首都圏を直撃、木々や電柱がなぎ倒されただけでなく、巨大な広告塔も路上に崩れ落ち死者を出した。首都圏開発局が鉄やコンクリートで出来た広告塔の残骸の撤去作業を開始したが、完了まで数日かかるだろう。

 これら広告塔は、最近、その大きさを競い合うように巨大化してきた。中には足場としているビルよりも大きいのがあり、都市を実際以上に密集地に見せ、運転手の運転の邪魔にもなっていた。二カ月ほど前にもエドサ通り沿いで巨大な広告塔が崩壊し、交通渋滞を引き起こしたことがあったが、誰一人として補償金を受け取った者などいなかった。

 現在までほとんど無規制だった広告塔の取り締まりを強化すべきである。首都圏開発局が鉄道や主要道路の沿線にある広告塔の規制を管轄し、それらが公共の空間を侵犯しないよう監視するのである。審美的にはもちろん、公共の安全を損なうものも規制の対象にするべきであろう。

 巨大広告塔が繁殖する理由の一つとして技術革新を挙げることはできるが、巨額のもうけを生み出すことも重要な理由の一つである。建物や土地の所有者や広告業者は言うに及ばず、許認可を出す地方自治体にも現金が転がり込むからだ。これら地方自治体が首都圏開発局の取り締まりに対して抵抗することは予想されるが今回はフェルナンド局長の「まず撤去あり」の強攻姿勢を歓迎する人は多いに違いない。

 同局もこれを財源獲得のチャンスと捉えたらいかがだろうか。主要道路の広告業務を一手に掌握し、歩道沿いに一定の大きさと規格で広告施設を作り、広告業者に貸し出すのである。(30日・インクワイアラー、アレックス・マグノ)

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