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11月21日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 513字|2005.11.21|社会 (society)|ハロハロ ]

 ツバメの群れが再び飛び交っている。首都圏の南に広がるラグナ州の田園地帯。四月から五月にかけて姿を消すツバメは、半年間を日本で過ごして戻ってくる。日本で生まれ、フィリピンは初めてという子ツバメも多いにちがいない。小さい体で、よく海を渡ってきたとほめてやりたい。俳句で「燕(ツバメ)帰る」は秋の季語。日本では古くから南の国を彼らの故郷とみていたのだろう。

 ツバメが戻ってきたのと同じころ、マキリン山をよぎる雲が北から南に流れを変えた。南西季節風が、大陸からの北東季節風に座を譲ったからだ。季節風が変わると、十六世紀後半の徳川家康時代、海外渡航の許可を得た御朱印船が九州などからマニラに来航、日比交易を繰り広げた。朱印船は風が頼り。南西の季節風が吹くのを待って、六、七月に帰航したという。

 このところ、マキリンのふもとから望む夕日の位置が変わり、季節の変化を実感する。確か九月まではタガイタイ高原の北斜面だったのが、十月になってからタール湖寄りの南斜面に移った。ホオズキ色、真っ赤と、大空を染める夕日は日によって微妙に色を変えるが、スケールの大きい夕焼け空の美しさだけは、一年中変わらない。 (濱)

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