国民IDは必要だ
テロ対策の「要」
クルス国防長官によると、東南アジアのイスラム系テロ組織ジェマイスラミア(JI)を厳重監視するためわが国は、マレーシアやインドネシアと手を携えて対策に取り組んでいる。監視対象地域は、インドネシアと南コタバト州ジェネラルサントスとの間の海路、バシラン、スルー、タウィタウィの三州周辺の海域だ
マレーシアは、巡視艇を出して三国間の人身売買を摘発している。しかし、さらに多くの監視のための船舶や航空機を必要としている。
インドネシアを拠点とするJIメンバーは、フィリピン南部のイスラム社会に難なく溶け込む。同じマレー系で、似た容姿を持つ彼らは、地元の方言を習得しなくてもミンダナオ地方に潜入することは可能だ。身分証明書の心配はない。同地域では多くの住民が身分証を持たず、出生記録もないからだ。
この地域には、国民身分証(国民ID)の導入が必要だ。出生証明書なしに入学でき、旅券申請もしないし、税金も払わない。このような国民に対し、政府はID導入の必要性を訴えている。
しかし、国民IDシステム導入は、他の計画と同様、実施に向かって前進したためしがない。IDがないため、政府は住民の状況を把握することができないでいる。身元不明人の確認が簡単にできるようにし、地方自治体や警察などの機関は新規居住者を監視できるシステムを開発すべきだ。
政府に非協力的な村落の住民は、テロを非難すればイスラム教徒を支援する。外国人テロリストはわが国の長い海岸線を利用して容易に逃走できる。政府は、危険な外国人を逮捕して本国送還できる地方組織網を整備すべきである。 (17日・スター)