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7月18日のまにら新聞から

静かなクーデター

[ 704字|2005.7.18|社会 (society)|新聞論調 ]

ラモス氏の改憲提案

 大半の人が認識していないが、今月八日、静かなクーデターが発生した。ラモス元大統領が大統領府に乗り込み記者会見、憲法改正を訴えたのだ。アロヨ大統領は大統領府にいるがもはや大統領ではない。ラモス氏こそが事実上の大統領なのだ。

 ラモス氏は大統領制から議院内閣制に移行したい意向を伝え、アロヨ氏に「勇退」を提言した。アロヨ氏は一時的に救済されたかもしれないが、ラモス氏が与えた猶予期間はわずか十カ月である。新首相の座にはラモス氏が座るとみられている。

 新しい共和国憲法の下では大統領の再出馬は禁止されないため、ラモス氏は地元パンガシナン州から議員選に出馬する。当選後は首相に選ばれるよう議員に働きかけるだろう。新政府では形式上の大統領は存在しても、実権は首相が握ることになる。

 いま、この大統領制の下で危機に直面しているため、問題の答えとして議院内閣制への移行に国民の支持が殺到すると思われる。だがこれは病気をさらに悪化させる治療法だ。

 議院内閣制では権力を持つ政党が政治を動かす。いくつかの国ではこの制度が成功している。だが、それには政治家は確固たるイデオロギーと政策を持ち、政党を変えないという強固な政党システムの存在が条件となる。フィリピンは違う。政治家はチョウのように政党から政党へと飛び交う。もしわが国で議院内閣制が導入されれば、大半の議員は力のある政党へと移り、与党への監視が機能しなくなるだろう。

 われわれの憲法と政治システムは完ぺきではないものの、まだ良好である。システムに問題があるのではない。悪いのはわれわれの手で選んだ政治家たちだ。(11日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)  

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