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7月11日のまにら新聞から

なぜ性急なのか?

[ 694字|2005.7.11|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領辞任要求

 アキノ元大統領がアロヨ大統領に対し、国家のために「自己犠牲の精神に基づき」辞任するよう求めた。元大統領の要求は非政府組織セクターの意向を反映しており、またその直前に一斉に辞任を表明した主要経済閣僚らの行動をきっかけとした動きだったのは明らかだ。

 元大統領が声明を発表するとの情報を得た瞬間、地方自治体首長や国会議員、そして司教や司祭らの代表者などもっとさまざまなセクターの代表たちから意見をくみ取るために、もう少し時間を置くように進言したいと思った。私は特に、自分たちの意見が反映されていないと感じている地方自治体首長らの憤りが今後、国家を分断し、市民戦争に発展する可能性もあると考えている。

 大統領が辞任した場合、デカストロ副大統領が後を継ぐ。だが彼は一部のセクターには受け入れられていない。また辞任となれば権力の真空状態が生まれ超右派などによる政権奪取を許してしまうかもしれない。

 しかし、今最も重要な問題は、私たちが電話盗聴事件の全真相をまだ知らないことである。調査を始めた下院ですらまだ録音テープの正確な出所すら確証していない。大統領は、単に選挙不正を働いたらしいという推定に基づいて辞任すべきなのだろうか?

 与党連合の一角、自由党の執行部がやはり大統領に辞任を求めたが、同党幹事を務めるアティエンサ・マニラ市長はこの表明を決めた会合には参加していなかった。同党は全国の党員を無視してたった四十人の執行部だけで決めてしまったのだ。なぜ彼らはそんなに急ぐのか。元大統領も辞任要求運動に加わるという誤った忠言に従ってしまった。(9日・インクワイアラー、ベリンダ・クナナン氏)

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