ビサヤ・ミンダナオ通信
[ 323字|2005.6.20|社会 (society)|ビサヤ・ミンダナオ通信 ]
血の報復抗争止まず
ミンダナオ地方特有の「リド」、部族間の血の報復闘争の研究シンポジウムがこのほどダバオ市で開かれた。
バングサモロ研究所員の発表によると、一九七〇年から二〇〇四年までにマギンダナオ州で起きた「リド」は二百十八件で、犠牲者は八百十一人に上る。抗争のほぼ半数が今も未解決という。
リド放棄を公表したのは同州ダツパグラス町長を務めた名門部族の長、トト・パグラス氏。一九八〇年代に自宅に手投げ弾を投げ込まれて父と弟が死亡、さらに二人の弟も殺された。三年前には息子がダバオ市内で銃撃された。「眼には眼を、歯には歯をの道は捨てた」パグラス氏だが、「正義のために報復すべきだ」という部族内の主張を抑えるのに苦労しているという。 (15日・インクワイアラー)