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6月13日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 510字|2005.6.13|社会 (society)|ハロハロ ]

 四年近くフィリピンに住んで帰国してみたら、思いがけぬ生活文化(サービス・習慣など)の変化に気付かされた。最初に結論を言っておくと、日本もいい加減な国であることを痛感した。まずは食い物の話。

 四月のまだ寒い夜、仲間と東京・新宿に集まって歓談した。はやりの個室風居酒屋である。料理を取りすぎたので、豚の軟骨などを炒(いた)めた一皿のテークアウトを頼んだら断られた。規則でダメという。マニラ首都圏のレストランなら当たり前のサービスだ。「この料理は客が買ったのだから持ち帰ろうが食べてしまおうが勝手じゃないのか。全然、箸(はし)つけてないからダメというなら、金返してくれるか!」と酔った勢いで強く言ったら、店長と相談すると引き下がった。

 友人によると、持ち帰った料理で腹痛など起こされ保健所ざたになるのを嫌ってのことという。しかし加熱した料理なのになぜ、この程度のサービスもできない? やっと持ち帰りOKとなったが、何でこんなに日本人は縮こまっているのだろうとあきれ返った。そういえばフランス人は残リ物を「飼い犬にやるから」という名目で包ませる。これはなかなかソフトな手口だ。次回は犬の餌を口実にしてみるか。(紀)

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