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12月27日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 542字|2004.12.27|社会 (society)|ハロハロ ]

 在比九年。年末の一月を台風の過ぎ去るのを待つ思いで過ごしてきた。恐怖の交通渋滞、捕まらないタクシー、ようやく乗車可となれば今度は料金交渉で一悶着(もんちゃく)、クリスマス・キャロルを装い夜な夜な物ごいに押しかける子供の群れ、曜日を問わず早朝まで目いっぱいの音量とともに続くクリスマスパーティー。極めつけは恒例の二回に渡る爆竹・花火による「狂騒曲」だ。

 車を購入してタクシー待ちの苦労から解放されたら今度は交通整理員らとの闘いが始まった。忘れられないのがある年のパサイ市での事件。夕暮れ時、普段は双方通行の道路に入った途端、突如姿を現した警官が板切れにペンキで即製した矢印を指差し「一方通行違反。罰金を払え」と命じた。夕闇が迫り識別不能なのに付け込んだ恐喝である。

 今年の話題はマカティ市のある交差点に巣くう整理員らの執念。エンストを起こしただけで「進路妨害」と言いがかりをつけられた経験があるだけに常に細心の注意を払っている。十月のとある日曜日、交差点を越えた所で見覚えのある整理員が「止まれ」の合図。この時は無事に逃げ切れた。だが、十二月半ばの日曜日、今度はバイクにまたがり虎視眈々(たんたん)と獲物を狙っていた。「敵もさるもの」と感心するやら、あきれるやら。(康)

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