最優先で実行せよ
高給削減問題
緊縮財政の一環で導入した倹約令をすべての公務員に順守してほしいなら、政府はまず公社や政府系企業幹部の高給削減に取り組むべきだ。幹部が七十万︱八十万ペソの月給を受け取るのを黙認しながら、一般の公務員に自己犠牲を求めるのはほとんど冗談に近い。
国の元首である大統領の年収を大幅に上回る給与や手当について、大統領府は「規定では許されており、法律には違反していない」と主張している。しかし、大統領は公社や政府系企業幹部の任命権を握っているのだから、幹部に給与の上限を設けるよう命じることができるはずだ。
大統領府ではこのほど、エアコンなどのエネルギー費や会議の際の軽食費を節約する取り組みが始まった。だが、全部で百人ほどもいるとされる高給取りの存在が明るみになったため、「政治的なショーにすぎない」と国民は冷め切っている。
アロヨ大統領は現在、倫理的な観点から公社幹部らに給与を自主減額するよう説得しているという。議会も優先開発補助金(通称ポークバレル)をめぐって口論している場合ではない。財政危機に見舞われ、貧富を問わず自己犠牲が求めている時なのだから、公社などの給与制度を法的に合理化する手段を模索すべきだ。
法外な高給に国民の非難が集中していることを受け、年金や健康保険などを扱う社会保険事業団(SSS)のデラパス総裁は月給を五十万ペソから十万ペソに減額したそうだ。公務員全般の給与と比べると依然高給ではあるが、フィリピンのように公社幹部ポストが政治的報酬として扱われている国では、歓迎すべき動きといえよう。(16日・スター)